KLIMAX SOLO 500
1999年リリースのKLIMAX SOLOモノラルパワーアンプ。
現ラインナップで最も長寿の製品となったこのモデルは、常識外の薄型筐体、驚きのハイパワー出力、パワーアンプ用オリジナルスイッチング電源…と数々のトピックスで人気となり、25年を経過した今も愛されるモデルです。
この度、ついに後継機種「KLIMAX SOLO 500」の登場がアナウンスされました。
大型フラッグシップ機KLIMAX SOLO 800の内容を出来る限りそのままにLINNらしいコンパクトサイズを実現したこの新製品は、今後LINNを代表するパワーアンプとなることでしょう。
Reverence for a Legend – 伝説への敬意
KLIMAX シリーズ最初の製品であった1999 年発表の「KLIMAX SOLO」は、常識を打ち破る革新的なモノラルパワーアンプとしてフラッグシップモデルの基準を打ち立てました。
25 年という時を経て、LINNラインナップで最も⻑く君臨したこの製品を受け継ぐ最新モデルの設計が、 大きな敬意を持って取り組まれました。
“ 伝説的アンプに代わる新製品は、並外れた存在でなければなりません。”
Klimax Solo 800 の性能をいかにコンパクトに実現するか
新モデルKLIMAX SOLO 500は、LINN最上級テクノロジーを集結し、LINNらしいコンパクトさを保ちながらこれまでにない性能を持つモノブロック・パワーアンプとして完成しました。
LINNは、フラッグシップ・アンプテクノロジーとフラッグシップ・パワーサプライテクノロジーを精密にコンパクト化し、洗練を極めるミニマルなボディに格納。KLIMAX SOLO 500 はあらゆるシステムをグレードアップさせる驚異的なパワーアンプとなったのです。
初めて電源を入れたその瞬間から⻑年の使用に至るまで、常に最適なパフォーマンスを発揮。これまでは想像できなかった出力性能、極限の低ノイズフロア、そして従来モデルと比較して85分の1の歪み率を実 現しました。
また、いかにダイナミックな音楽素材を再生しようとも、エレガントな筐体に隠された冷却システムは、静かにベストな状態を維持します。
SOLO 500 は、馬鹿げた大きさのオーディオを変貌させ美しいセットアップを叶えます。
Adaptive Bias Control – 適応バイアス制御
Adaptive Bias Control は、パワーアンプがあらゆる条件下で、そしてその製品寿命の全期間にわたって最適な出力性能を発揮するように設計されたアンプテクノロジーです。
運転中、最適なバイアス電流はリアルタイムでインテリジェントに決定され続けます。8 つの出力トランジスタ個別に供給されるべき電流値は、継続的に測定・サンプリング・デジタル化され、強力なFPGAプロセッサに送られた結果、瞬間的に計算され決定します。
このテクノロジーによって、従来Class ABアンプで課題であったクロスオーバー歪みを解消し、性能変動・一貫性の欠如の問題を根本的に解決しています。
SOLO 500 は常に自身の出力状態について測定・アジャストしており、どのような温度や音量、突発的でダイナミックな音楽信号の変化にかかわらず常に理想的な動作を維持します。何より素晴らしいのは、複数(例:左右2台)の SOLO 500 がいつでも同じ性能を発揮し、バランスの崩れない音響パフォーマンス 継続が永続的に保証されるところです。
この技術の導入により、SOLO 500はリスニング環境下で従来モデルと比較して、85倍も優秀な THD+N (全高調波歪み+ノイズ)を記録しています。
Hybrid Cooling Matrix – ハイブリッド冷却マトリクス
KLIMAX SOLO 500 は、全く新しい熱管理システム「ハイブリッド冷却マトリクス」を採用しています。
これにより、要求される動作負荷に応じて適応し、常にクールかつ静音状態をキープします。
内部には、複雑かつ美しく削り出された冷却サブシャーシがあり、全てのエレクトロニクスはこのサブシャーシ下面に直接マウントされています。このアルミニウムの塊はワンピースの高効率熱伝導プレートです。上面は、精密に設計された放熱フィンのネットワークで、放熱シュミレーションソフトウェアにより最適化された形状となっています。日常的な再生では、このフィンから上方に自然(パッシブ)な放熱を行い製品天面のスリットより外部に排熱されます。
アンプに高い負荷がかかる状況においては、SOLO 500 のハイブリッド冷却マトリクスが真価を発揮します。内部奥(製品フロント側)に配置される2基のファンがアクティブ冷却を担当。 取り込んだ冷気は放熱フィンネットワークのチャンネルに沿って循環し、最も高温になる領域を効果的に冷却します。
ファンの制御は、FPGAプロセッサによってリアルタイムで管理されます。このシステムでは、内部温度とともに入力音声信号を計測し、その情報を元に必要最小限の回転数でファンを回転させます。このことにより、ファンは極静音で動作しながら過熱を防止し、最良のリスニングと効率性を両立します。
UTOPIK – SOLO 500 専用パワーサプライ
ハイブリッド冷却マトリクスの効果は、KLIMAX SOLO 500に特別に最適化されたUTOPIK 電源によっても後押しされます。この電源はオート・ボルテージ・レール(自動電圧調整回路)を搭載しており、再生される音声がどんな信号で、どんなボリュームで再生しているかに応じて必要な電力を供給します。
ただただ熱として消費されてしまう余計な電力を抑えることで、電力効率を高め、ベースとなる製品温度を低く保ち、SOLO 500は製品としての消費電力を抑えることに成功しています。
Build & Design – 構造とデザイン
KLIMAX SOLO 500は、ミニマリズムと洗練を極めた美しさを持っています。精密な筐体には、繊細に設計された特徴的なディテールが随所に施されています。
筐体は、ベースプレート、エンクロージャー、リアパネルの3つのアルミニウムエレメントで構成され、 一体感のあるソリッドな構造を印象づけます。製品天面のスリットは、サメのえらのような形状を持ち、光を反射しアクセントとなるようデザインされています。このスリットは、正面からは見えないように巧妙に加工され、洗練された印象を損なうことがありません。3本のスティール製脚部は Oリングによって安定性と振動の絶縁を実現。またLINNの他ラインナップとビジュアルの一貫性を実現しています。
フロントフェイスデザインは、最新の LINN「スマイルデザイン」が採用されています。このスマイルの下側は完全なフラット面で、上側は2軸の複雑なカーブを描いています。この異なるふたつの面は、ライティング環境によって非常に美しい表情を見せます。中心には小さなラウンデルが置かれ、優しくステータスを示します。
① 出力レベルによる THD + N の差 KLIMAX SOLO vs KLIMAX SOLO 500


価格:5,500,000円(税込、1台)
発売:2025年6月