約11年前の2014年に事務所環境を改善するため、LINN MAJIK DSM/2とMAJIK140をご導入頂いたS様。
この度、業務内容の一部変更に伴い、事務所内レイアウトを大幅リニューアルする事になり、4Kプロジェクターや電動スクリーンを事務所に追加し、LINN MAJIK DSM/2とMAJIK140を組み合わせて2.0chシアターを構築する事になりました。
通常、既設物件へ4Kプロジェクターや電動スクリーンを施工する場合は天井面の複数箇所へ点検口等を設けた上でインストールを行う事が多いのですが、今回は事務所と言う性質もあり、天井はジプトーン仕上だったため、アクセスが必要な箇所のみジプトーンをビスで外して作業する事が可能なので、作業時間と施工コストを比較的抑える事が出来ました。
それでは早速インストールの様子をご紹介して行きます。
まずはジプトーンをいくつか外し、天井内の確認と機器を取り付けるそれぞれの場所の状況を把握。
LINN MAJIK DSM/2やApple TV 4Kをこの壁面下部へ設置し、そこからプロジェクターへのHDMIケーブル、フロントスピーカーへのスピーカーケーブル等を壁面を通じて隠蔽配線するため、上部のジプトーンを外します。
プロジェクターを天吊する箇所からLINN MAJIK DSM/2を設置する場所までHDMIケーブル用の配管を仕込みます。
プロジェクター用電源を増設し、将来用となるサラウンドスピーカー用配線も仕込みます。
プロジェクターは重量があるため、天井から降りている寸切りを延長してプロジェクター金具と固定し、落下防止対策を行っています。
こちらは電動スクリーン側で、エアコンから少し離して取付を行います。
今回はAMX等のホームオートメーションシステムを導入しないので、プロジェクターの電源を入れたら電動スクリーンが降りて来る様にするため、プロジェクターと電動スクリーンの間を12Vトリガーケーブルで接続します。
また、電動スクリーン用コンセントも新たにスクリーン背面へ増設。
電動スクリーンの取付が完了。
今回はキクチ科学研究所の新型電動スクリーン、CUBEシリーズを早速インストール。
製品の名の通り、四角い形状のスクリーンケースへ従来よりも大型のシャフトが採用されているため、スクリーン幕面の平面性は格段に改善されているのが特徴です。
4Kプロジェクター用天吊金具を取付した所です。
EPSON専用品の薄型金具のため、プロジェクターが天井面へほぼ張り付いているかの様な姿を実現出来ます。
普段はなかなか見る事の出来ない、天吊金具の天井側からの姿。
取付ビス4本のうち2本は野縁へしっかりと固定し、残りの2本はジプトーンの背面へ合板を置いて固定。
さらに野縁受けの寸切りへプロジェクター天吊金具を固定しているため、かなりの重量にも耐えられる様にしています。
プロジェクター天吊金具へ4Kプロジェクターを2人がかりで取付中。
ある程度の段階まで来たら電動スクリーンへシュートアウトして微調整し、最終的にしっかりと固定します。
4Kプロジェクターの天吊が完了。
今回は壁天井のインテリアが白基調だったため、4Kプロジェクターも白い筐体のEPSON EH-LS11000を選定。
電動スクリーンと4Kプロジェクターと言った大物はこれでインストール完了ですが、その他にも細々とした仕様変更を行いました。
例えば、壁面から床経由で既存のパソコンへ配線されていた有線LANケーブル。
今回の事務所レイアウト変更に伴い、床面から少し延長して新たに設置したデスク下に設置されているPCまで接続されていたため、有線LANケーブルが露出してしまう状態でした。
今回のインストールでは、この床経由で配線されている有線LANケーブルは廃止し、新たにフロントスピーカー用のスピーカーケーブルと共に有線LANケーブルも天井経由で配線し直す事にして露出を最小限で留める様にしました。
こちらのジプトーンを外して壁内へ配線を降ろします。
既存のコンセントプレートへノズルプレートを追加してフロント左右分のスピーカーケーブルとPC用有線LANケーブルを取り出し、それぞれの機器へ接続して完了。
また、この事務所は2Fにあり、3Fが居宅と言う構造なのですが、2Fの事務所部分に光終端装置と無線ルーターがあり、3Fへは有線LANケーブルが通っておらず、2F-3F間は無線LAN中継機で延長する様にされておりましたが、ご家族からはネットの速度が余り速くないとの声が出ていた様でした。
2F事務所に設置されていた光終端装置と無線ルーター。
そして、こちらが3Fリビングへ設置されていた無線LAN中継機。
そのため今回のインストール時に現地調査を行った所、2F分電盤から3Fリビングへ配管が存在していた事が判明したため、2F事務所部分から情報分電盤経由で3Fリビングまで有線LANケーブルを通し、そこに2Fで使用している無線ルーターと同機種を準備して設置し、SSIDを2Fと同一の物に合わせて運用する様に変更した所、3Fでも十分な速度が出る様になり、ご家族からは快適になったとのお声を頂きました。
S様事務所の施工編はこれで完了です。
次回のColumnでは完成編及びS様から使用された感想等をお届けしたいと思います。